真面目なあたしは悪MANに恋をする
ケンとマサに挟まれたチョー片岡
珍しく『はあ』と片岡君が重苦しいため息をついた

バイトが終わって、ホットココアの缶を二人で一本ずつ握りしめながら、公園のベンチに座っていた

「ケンケン、まだ変なまま?」

「日々、重症化してる」

片岡君は髪の毛を掻き毟ると、また白い息を吐き出した

茉莉が大怪我をしてから一ヶ月半が過ぎていた

茉莉の傷ももうほとんど治っている

以前のように、茉莉と親しい関係に戻ったわけじゃないけど…まあ、それなりの関係に戻った

話しもするし、挨拶もする

学校では、ほとんど話さないけど、片岡君の家に行ったときは茉莉と二人きりで話をする

…というか、茉莉と話さないと茉莉がつらそうな顔をしてる

茉莉とケンケンは、ほぼ同棲に近い形で過ごしている

ケンケンが茉莉を離さない

片岡君の家にあるケンケンの部屋で、茉莉と一緒に生活をしてる

ケンケンの隣の部屋だったマサ君の部屋は、今はもう空き部屋になった

マサ君が、片岡君の家を出たのだ

近くのアパートで一人暮らしを始めた

ケンケンとマサ君は、見た目は以前とまったく変わらない

でもそこに茉莉の姿が加わると、空気ががらりと変化する

すっとマサ君が身を引いて、ケンケンと茉莉から距離をおいた位置に場所を移動する

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