真面目なあたしは悪MANに恋をする
どうして人は出会うのだろう

会いたいときには、なかなか会えなくて苦しい思いをするのに

会いたくないときには、なんで?って神様を怨んでしまうほどあっさりと再会をしてしまう

「よっ!」

あたしは目の前に立っている男二人を睨んだ

絶対に見たくない男が二人、あたしの前で白い歯を見せて笑っている

ショッピングモールには、大勢の人であふれているというのに…なぜ、磁石で吸い寄せられたかのように見たくない男が笑顔で目の前に立っているのか

あたしは不思議でたまらない

茉莉と並んで歩いていたあたしは足を止めると、あからさまにため息をついた

「昨日、メールしたのに…冷たくねえ?」

「冷たくない」

あたしはぷいっと横を向く

寺島君と加藤さんが、あたしたちの行く手を阻む

今、ここに片岡君とケンケンがいなくて良かったよ

あの二人とは別行動をとってる

2時間だけ、あたしと茉莉は自由に動ける

「おっ! 茉莉、連絡がつかなくてさあ…マジ、寂しかったんだぜ」

茉莉の肩を抱こうと寺島君が茉莉の横に並んで、腕を動かした

茉莉はすっと足を動かして、寺島君から離れた

寺島君の腕は、空をきり、不満そうな表情になった

「なんだよ…怒ってるわけ? ちゃんと連絡したぜ…そんときにはもう茉莉のほうが…って、あれ? 茉莉、なんか雰囲気、変わったな」

寺島君は顎をひくと茉莉の全身を眺めた

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