真面目なあたしは悪MANに恋をする
「なんか、ださくね? その格好。マジ、いけてねえよ」

肌の露出を控えた服装に、寺島君が馬鹿にしたように笑った

「うっさい」

茉莉がぷいっと視線を外した

「久しぶり。元気にしてた?」

茉莉と寺島君の会話に耳に傾けていたあたしは、加藤さんの声かけにひどく驚いた

「あ…はい」

こくんと頷くと、一歩前にできていた加藤さんにびっくりしてあたしは一歩後ろに下がった

「一緒にまわれたら嬉しいんだけど」

加藤さんがにっこりとほほ笑んだ

「ああ、無理です。連れがいるので」

「茉莉ちゃんのこと?」

「いえ、違います」

そう言ってあたしは、吹き抜けになってる上のフロアに目をやった

2つ上の階の紳士服店前に立っていた男2人組に視線が動く

「…あっ…」

ケンケンの怖い目に気がついたあたしは、思わず声が漏れてしまった

「何?」

加藤さんの目も上にいった

「あれが彼氏たち? なんで別行動なの?」

加藤さんは、あの二人が赤族の人たちとは気付いてないみたいだった

そうだよね

今日はツナギじゃないし…

「ま…茉莉、やばいかも」

あたしの声に、茉莉も上を向いた

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