真面目なあたしは悪MANに恋をする
『ケンから話を聞きました。今から、そちらに向かいます』
マサからメールが届くと、僕は携帯をテーブルの上に置いた
文庫本に目を戻そうとすると、僕の前に寺島が座った
明るく賑わっているフードコートに似合わないくらい怖い顔をして、寺島が僕を睨んでいた
「お前、さっきの男と知り合いなんだって?」
テーブルをバンと叩いた寺島が口を開いた
「まあ…」
「お前も赤族の一員なのかよ」
「まあ、そうだけど」
「ふざけんなよ」
寺島が足を組んで、肘をついて不服そうな顔をした
「クリスマスのあれはあんたが、族長に情報を流したんだな?」
「嫌がってる葉南さんを脅すからでしょ」
僕は文庫本に目を落としたまま、答えた
「あんとき、鈴木さんと付き合ってたのかよ」
「いいえ。付き合ってないですよ。まあ…あの日、寺島君が葉南さんを無理やり連れていったのがきっかけですけどね。それには感謝してますよ。どうもありがと」
僕は抑揚のない声でお礼を言うと、視線をあげた
「あんたのせいで、俺は怪我をして入院をしたんぞ」
「それが? 人の心を傷つけておいて、自分だけ無傷っておかしいでしょ」
「その言葉、そのままあんたに返すよ」
「意味がわかりませんね。僕は誰も傷つけない」
マサからメールが届くと、僕は携帯をテーブルの上に置いた
文庫本に目を戻そうとすると、僕の前に寺島が座った
明るく賑わっているフードコートに似合わないくらい怖い顔をして、寺島が僕を睨んでいた
「お前、さっきの男と知り合いなんだって?」
テーブルをバンと叩いた寺島が口を開いた
「まあ…」
「お前も赤族の一員なのかよ」
「まあ、そうだけど」
「ふざけんなよ」
寺島が足を組んで、肘をついて不服そうな顔をした
「クリスマスのあれはあんたが、族長に情報を流したんだな?」
「嫌がってる葉南さんを脅すからでしょ」
僕は文庫本に目を落としたまま、答えた
「あんとき、鈴木さんと付き合ってたのかよ」
「いいえ。付き合ってないですよ。まあ…あの日、寺島君が葉南さんを無理やり連れていったのがきっかけですけどね。それには感謝してますよ。どうもありがと」
僕は抑揚のない声でお礼を言うと、視線をあげた
「あんたのせいで、俺は怪我をして入院をしたんぞ」
「それが? 人の心を傷つけておいて、自分だけ無傷っておかしいでしょ」
「その言葉、そのままあんたに返すよ」
「意味がわかりませんね。僕は誰も傷つけない」