真面目なあたしは悪MANに恋をする
真冬にショートパンツなんて…なかなか履かないもんなぁ

女性ならともかく…男でショートパンツなんて

僕はマサの白い足を見つめた

ひざ下までの黒い靴下に、ブラウンのブーツ

右太ももには十字架に蛇が絡まっているタトゥシールが貼ってあった

こういう格好がマサには似合うから、凄いよね

違和感がないよ

良いバイト先を見つけたね

「あのさ、いつまでここに座ってるつもり?」

マサが手の爪をいじりながら、寺島に聞いてきた

「用事…あんの? ないの?」

「俺、こいつと話をしてるんだけど」

寺島が、僕の顔を指でさした

「失礼にもほどがあるよね。赤族の長に向かって、指さしかよ」

マサがテーブルに肘をついた

「え?」

寺島が驚いた顔をする

「知らないでここにいるの? 君はおめでたい人だ。あんなに赤に攻撃的なアプローチをしてて、族長の顔も名前も知らないなんて…ま、ある意味、可哀想な人っていうんだろうねえ。敵の情報がないんだからさ」

マサが呆れた顔をした

つまらなそうに遠くに視線をやると、マサはふうっと息を吐き出す

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