真面目なあたしは悪MANに恋をする
フードコートの席に戻ると、葉南が気づかれないようにほっと息をついているのがわかった

バーガーにかぶりついているマサの隣に、座ると笑みを作った

「さっきまた、寺島君に会ったよ」

「え?」

私の言葉に、みんなが驚きの表情をした

一番、驚いているのは葉南で、身を乗り出して私の顔を見ている

チョーって人も、驚いてるけど葉南ほどびっくりしている様子はない

マサはバーガーにかぶりつくのをやめて、じっと私の横顔を見ていた

「で? 何だって?」

葉南が口を開いてきた

「遊ぼうって言われただけ。このままどっか行こうって。あいつの行きたい場所なんて一つしかないのにね」

私は笑うと、椅子の背もたれに背中をくっつけた

「さっき手首の骨も折っておけば、良かったかな?」

マサがぼそっとこぼす

「マサ」

片岡君が首を横に振る

「わかってるよ。あんな奴でも一応、一般人だからね。…で、次の行動は決まったの?」

マサが片岡君と葉南の顔を見た

テーブルの下では、マサの手が私の手を握ってきた

え?

「んー、それがさあ。決まってなくて」

葉南が困ったように首をかしげた

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