真面目なあたしは悪MANに恋をする

片岡side

―片岡side―


原付で30分走らせたところに、懐かしい中学があった

真っ暗闇の学校

楽しい思いでなんて一つも無くて、つらい中学生活が思い起こされる

強烈に残っている記憶は、翔が『気にするな』という言葉とともに見せた笑顔

忘れたても忘れられない記憶だ

原付を止めると、閉められている門を乗り越えて中学の校舎に入った

足早に屋上に向かう

重いドアを開けると、青族の奴ら数名と青の族長

翔の姉の千明…それから浩太と佑介が立っていた

いじめの中心格であった浩太と佑介は、青族のつなぎに身を包んでいた

そうか…こいつらも青の人間なのか

「逃げずにどうも」

金髪と赤のメッシュの髪をかきあげながら千明が、にっこりと笑う

憎しみのこもった目が、僕の体を捉えていた

「こんばんは」

僕は、ぺこっと頭をさげた

「クールなものよね。一人だけ、良い学校に行っちゃって。何事もなかったかのように生きてる」

千明が口を開く

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