真面目なあたしは悪MANに恋をする
僕はルイの顔を見たまま、ふっと笑った

「マサ…何でここに来た?」

僕は振り返らずに、後ろにいるマサに問いかけた

「だって、青がいるなら俺らの出番だよね」

「そうっすよ。俺らのディナーを奪わないでくれます? せっかく腹を減らして待ってたのにぃ」

ケンの声も聞こえてきた

なんで…知ってるんだよ

「赤? なんで、んなとこに来てんだよっ!」

浩太が、僕の腕にしがみ付いてきた

「邪魔なんだけど」

マサが、浩太の首根っこをひっつかむと後ろに投げたのが目の端に移った

僕の右にマサ、左にはケンが立つ

二人とも、赤族のツナギを来て立っていた

「ひどいっすよねえ。一人で美味しいごはんを食べようとしちゃってさ」

ケンが僕の肩に手を置いた

「お腹を空かせているのは、チョーだけじゃないのにねえ」

マサが前を見つめたまま、微笑んだ

「『チョー』って?」

ルイが僕の顔を見た

「だから言っただろ? ただ暴力だけで、この街を制しようとしてるあんたとは違うって」

僕は笑顔を見せた

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