真面目なあたしは悪MANに恋をする
「チョーは身体より、精神的繋がりを求めるのかも?」

ケンが首を横に倒した

「それでも男だよ? 欲しいときは欲しいでしょ」

「大切すぎて、手を出せないってときもある」

俺がドアを開けると、ケンがドアを閉まらないように手で押さえた

「ま、それもアリかもね。ケンはそうだったんでしょ? 茉莉のとき」

「あ…うん、まあ、ね」

ケンが答えづらそうに、返事をした

「顔なんて全然違うのになあ。どうしてダブっちまったんだろ」

俺はケンの言葉を聞きながら、部屋の中に入る

ワンルームの狭い部屋に、身体の大きなケンが入ってきた

「心が似てたんでしょ」

「茉莉、元気かな?」

「元気じゃないの?」

俺は部屋の奥に行くと、ツナギを脱ぎ捨てた。シャツと、ハーフパンツに着替えると、畳みの上にあぐらをかいた

「マサは、気にならないのか?」

「何を?」

「茉莉のこと」

「じゃ、ケンは?」

「気になってるよ。どこで何をしているのか。なんで居なくなったのか…て、俺のせいなんだろうけど」

ケンはツナギを着たまま、畳みの上に座った
< 255 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop