真面目なあたしは悪MANに恋をする
「今日は…ちょっと」

私はぺこっと頭を下げる

「いっつもそうやって、断るだもんなあ。いいじゃん。ちゃんと家まで送るし、親交を深めようよ」

「あ…もう、今日は遅いから」

「いつもこれくらいに終わるんだから、仕方ないじゃん」


まあ、そうなんだけど

嫌がってるって、いい加減、気付いてもらえないかな?

やんわりと断るしか、できない

バイトを辞めたくないし、だからって前の私みたいに、意味のないセックスはもうしたくない

「ね、いいじゃん。大丈夫だって」

『何が?』と思わず聞きたくなる

何が大丈夫なの?

私は足を止めると、下を向いた

「もしかして…意味、わかってない?」

木下先生が耳に息を吹きかけた

やめてよ…そういうのは、嫌なの

「わかってるでしょ? 興味あるでしょ? 教えてあげるって」

「な…なんのことですか? 食事なら、家にあるんで」

私は明るい声で答えた

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