真面目なあたしは悪MANに恋をする
マサがアパートの前で、バイクを止めた

私はバイクから降りると、マサにヘルメットを返した

「あ…ありがと」

「うん。葉南さんが心配してるよ。彼女にだけでも、連絡してあげなよ」

私は首を横に振った

「そっか。ケンケンには、携帯を渡しておいたから」

「ん」

私は頷いた

マサに会えたのが嬉しいのに、言葉が出てこない

帰って欲しくないの

でも引き留める理由がなくて、何も言えない

「じゃあ、俺は…」

「あ…」

私は顔をあげる

マサは微笑んで、首を横に倒した

「な…何でもない」

私は下を向いて、頭を振った

帰って欲しくないの

なんて言って引きとめたらいい?

なんて言えば、マサはバイクから降りてくれる?

マサがヘルメットをかぶった

もう帰るつもりでいるんだね

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