真面目なあたしは悪MANに恋をする
「あいつらぁ…」

僕は下唇をかみしめると、ぎゅっと拳を作った

「片岡君」

鈴木先生の声に、僕ははっとして顔をあげた

まるで葉南さんに呼ばれているみたいに感じた

感情だけで突っ走らないって約束したっけ

僕は笑顔を作ると、鈴木先生の顔を見た

「私が知ってる話と違うんだけど、どういうこと? あのとき、片岡君は一切反論をしなかったわよね? どうして?」

「どういう経緯で、翔が屋上から落ちたにしろ。翔の手を離してしまったのは僕ですから。僕が手を離さなければ、違う未来があったはずです。それに、翔を虐めていたのも事実です。浩太や佑介に、また虐められるのが怖かった。あの出来事は僕の弱い心が招いてしまった。だから僕の責任です。どんな言い訳をしても、どんな事実を述べても僕の罪は消えない」

鈴木先生の顔に、ふっと笑みが見えた気がした

「葉南の言うとおりだったのね。私が間違ってたわ」

鈴木先生が、僕の目を見て大きく頷いた

「千明さん、ありがとう。貴方が来てくれなかったら、私も誤った物の見方をしていたわ」

鈴木先生が千明の肩を擦った

「いえ。どうしても先生には真実を知ってもらいたいくて。…って実は、マサ君とケンケンって人に、頭を下げられたんですけどね」

千明が苦笑いを浮かべた

「は?」

僕は、口をぽかんと開けたまま千明の顔を見た

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