真面目なあたしは悪MANに恋をする
「…てかさ、みんなバイトをさぼりまくって、平気なわけ? 今月の徴収が滞るのは困るよ」

マサが仁王立ちで口を開いた

「…あ。あはは」

ケンが笑い声をあげて、一歩二歩を後ろに下がっていく

「俺は平気だよぉ。彼女から貢いで貰えるし」

「俺もバイトはきちんとしてるからね」

マサと透理の視線がケンに向いた

「おぅ? 俺だけ? もしかして俺だけ?」

「そうみたいだよね」

マサの笑顔にケンが苦笑するなり、駆け足で歩道を走りはじめた

「すぐに働き口を探してきまーす」

「もう遅いよっ!」

走って逃げるケンに向って、マサが叫んだ

僕はケンの背中を見ながら、笑い声をあげた

なんか久々に笑った気がする

「んじゃあ、俺たちも帰りますかぁ」

透理とマサが頷くと、僕に片手をあげて歩道を歩き始めた

僕は振り返って、鈴木先生たちを見ると、二人に近づいていった

< 288 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop