真面目なあたしは悪MANに恋をする
朝6時

あたしはベッドの中で、携帯を握りしめると、片岡君の携帯にコールした

3回目の呼び出し音を聞き終わると、「はい」と片岡君のかすれた声が聞こえてくる

「おはよう」

眠そうな声の片岡君にむかって、あたしは明るい声で挨拶をした

『おはよう、葉南さん』

がさごそっと布団が動く音が聞こえ、片岡君の寝起きの声がする

ちゃんとベッドで寝たのかな?

「メールが無かったよ?」

あたしは、待ってた

寝ながらだけど…目が覚めるたびに、片岡君からメールがあったんじゃないかって、何度もメールを確認したけど

とうとう片岡君からのメールはなかった

昨日、メールしてくれるって言ってくれたのにな…ちょっと寂しかった

「ごめっ…10分くらい前に帰ってきたばっかで」

「ええ?」

あたしはびっくりして、布団の中で飛び起きる

ばさっと布団が肩から落ちると、朝の冷たい空気があたしの頬を撫でていった

ぶるぶるっと身震いをすると、また布団の中に足を突っ込んだ

「何してたの?」

「んー、バイクで走り続けてた」

「なんで?」

「ケンが山が見たいとか言いだして…片道3時間かけて、山に行ってきたぁ」

「起きれる?」

「頑張るよ。でももうちょい、寝かせて。7時になったら、もう一回、携帯を鳴らしてくれる?」

「うん、わかった」

片岡君は、「おやすみ」と言い終わらないうちに電話を切った

そうとう眠いんだろうなあ
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