真面目なあたしは悪MANに恋をする
「やっぱ、帰んない」

マサは靴を脱ぎ捨てると、また部屋にあがってきた

「は?」

私は、やっと寝られるという開放感が遠ざかったような気がして、イラついた

「帰るんじゃなかったの?」

「帰らない」

「なんで?」

「帰らないから」

頬を膨らませたマサが、ぷいっと横を向いたままあぐらをかいて座った

ナニよ、もうっ!

身長が伸びたって、まだまだ子どもじゃないのよ

苛々するなあっ

見た目は、大人な顔になってきてるっていうのにさ

「俺が帰ったら、さっきの男をツレ込むんでしょ」

「はあ? 私が誰をツレ込もうが、関係ないでしょ?」

マサしか、家にあげないわよ

もう…そういう無駄な遊びはしないって決めたんだから

「ああ、俺には関係ないよね」

「何なのよ。私、もう寝るからね」

テーブルを部屋の隅に移動させると、私は一組の布団を敷いた

本当はシャワーを浴びたい

化粧を落としたり、顔のはパックをしたり…したいのに

なんかもう、イライラしすぎて何もかもが面倒臭いよ
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