真面目なあたしは悪MANに恋をする
私は布団に足を突っ込むと、ばさっと布団をかぶった

電気を消すのさえ、面倒くさい

電気代が勿体ないって頭の片隅で考えながら、瞼を強く閉じた

衣擦れの音がすると、マサが布団の中にもそもそと入ってきた背中から私を抱きしめてきた

「なに?」

「俺も寝る」

「寝るなら、家に帰れば?」

「嫌だ」

「同じ布団で寝るのは嫌なんだけど」

私の言葉に、マサがびくっと身体が反応する

「なんで?」

「だって…今日はシャワーを浴びてないし、化粧も落としてないから…」

「ん。タバコ臭いよね」

「だから…」

「いいよ、別に。茉莉が吸ったわけじゃないんでしょ?」

「吸ってない」

マサにカラオケで踏みつけられてから、煙草は一本も吸ってないよ

知ってる? 気づいてる?

マサに言われたこと…ちゃんと守ってるんだよ

身体が冷えないようにしてるし、煙草もやめた

マサは肌を出すのを嫌うから、服装だって今までは違うものばっかりなんだよ?

ねえ、気づいてるの?


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