真面目なあたしは悪MANに恋をする
「ねえ、離れてよ」

「嫌だ」

私は身体をもぞもぞと動かして、マサから離れようとする

動く私の体をマサが、さらに強く抱きしめてきた

「一緒の布団に入るなら、シャワーを浴びてくるってば!」

「別にいいよ」

「良くない!」

私の気持ちが落ち着かないから!

私は布団を蹴ると、起きあがろうとする

マサはさらにぎゅっと腕に力を入れた

「いいってば」

「良くないの」

「シャワーを浴びないといけない理由でもあるわけ?」

マサの機嫌はますます悪くなる一方だ

どうして? 何でシャワーを浴びようとするのに、そんなに怒るわけ?

「あのねえ。嫌なの。煙草臭いし、化粧もついてて…気持ち悪いの」

「じゃあ、なんで布団に入ったのさ」

「眠いから」

「なら、寝ればいいじゃん」

「寝たいよ。でもマサがそこで寝るなら、シャワーを浴びるの。臭いと嫌でしょ?」

「俺は構わないって言ったよ?」

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