真面目なあたしは悪MANに恋をする
「あれ、先生、ここにあるって気づいてなかったの?」

「あ、うん」

「あるよ! ひとつ。塾の時は隠さないと、塾長が五月蠅いからさ。隠したほうがいいよ…ってかさ。塾長って、絶対宮川先生のこと狙ってるよね」

「はい?」

私は思わぬ発言をした律子ちゃんの顔を見た

塾長が、私を狙ってるってどういうこと?

そんな風に見えないけど…それに何歳も年が離れてるし

たぶん塾長は結婚をしているはず

「え? 気づいてない? 塾長の見る目が、いやらしいよ!」

「嘘…まさか」

私は首を横に振った

「ホントだって、今日とか気にして見ればわかるよ」

私は律子ちゃんの言葉に頷いた

そんなことないと思うけど…気をつけて見てみようかな

「先生ってやっぱ彼氏いるよねえ」

萌香ちゃんが腕を組んで、大きく上下に頷いた

「そう…かな」

彼氏いるように見える?

実はいないんだよ…って言うべき?

だって私たちは中途半端な関係だよね

確実な言葉が欲しい

マサは言ってくれるのかな?

いつかは…待っていれば、私が欲しい言葉をくれる?
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