真面目なあたしは悪MANに恋をする
「あ…透理君?」

北見が不思議そうな顔で、俺を見ながら口を開いた

「やあ、久しぶりだねえ。高校の卒業式以来だから…もう2か月くらい?」

俺は間延びした声で、北見に話しかけた

「ありがとう」

「えー、別に気にしなくていいってぇ」

俺は手を横に振って、照れているような仕草をした

金には困るような家の子じゃなかったはずだよね?

どうしてこんなところで、肌を露出しているのだろう

「お礼、したいから1杯どう?」

北見が俺の腕を掴んだ

「ええ、悪いよお」

俺が渋る

別に嫌がる理由もないけど、とりあえず礼儀かなってね

「いいの。お願い。私の気が済まないから」

「じゃあ、ちょうどおなかも減ってたしちょっと軽く…ね」

俺は首の後ろを掻きながら、北見の誘いに乗った

断る理由もないからねえ、俺には

小腹も空いたし、コンビニで買って食べるよりは楽しい時間を過ごせそうだよね

まあ、金持ちの女性はいないだろうけどさ

たまにはいいっか

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