真面目なあたしは悪MANに恋をする
『この子の知り合いみたいだからさ。あとはよろしく頼むよ。酔いが覚めたら、もう来なくていいって言っておいてよ。必死に頼み込むから、雇ったけど、無理っぽいから』

厚化粧のママに、酔い潰れた北見を託された

酔って眠りこけている北見を背負い、北見の荷物を持って、口にはママに渡された北見の住所が書いていあるメモを咥えている

…て、これじゃあ住所がどこだか読めないし!

そもそもお嬢様が、あんなところで働く必要があるのかな?

俺が通っていた高校は、それなりに金を持っている家の奴らが通う学校だったのに

俺は、メモを手の中に移動させると、書いてある住所を見た

この近くだよね

電信柱に書かれてある住所を頼りに、俺は北見の住処を探した

北見を背中に乗せてから30分、やっと北見の部屋のあるぼろアパートを見つけた

今にも壊れそうなアパートだな

俺も金のない生活してるけど、もっと良いとこに住んでるよ?

なんでこんなところで生活しなくちゃいけなくなったんだか

北見のカバンの中から、鍵を出すと、俺は部屋の中に入った

敷きっぱなしになっている布団の上に、北見を横に寝かせると、俺は深いため息をついた

重かったぁ

ちょっと抱っこ…とか、エッチの最中に抱きあげるとか、そういうのなら平気なんだけど

背中に負ぶって30分歩くのは、きついよ

全身の力を抜くと、俺は畳の上に座り込んだ

ちょっと…休ませてくれよ

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