真面目なあたしは悪MANに恋をする
「ホストぉ?」

鈴菜が驚いた声をあげた

「ちょ…母さんに聞かれないようにね」

「あ、ごめん」

鈴菜が慌てて口を押さえた

「こういうのが合ってるから。毎日、楽しいよ」

心配そうに見ている鈴菜に俺は、笑顔を見せる

お金の動く世界が心地良いよ

俺の言葉で、嬉しそうに笑うマダムたちの顔を見ていて飽きない

鞄の中で、携帯が音をたてた

俺は鞄の中に手を突っ込んで、携帯を取り出した

「あ。小山からだ」

鈴菜に聞こえるように、口にした

高校の友人と言えば、友人だろう

高3のときに同じクラスで、それなりに仲良くしていた

「もしもし?」

俺は携帯に耳を当てた

『あ、透理? 俺、マコトだけど』

「うん、何?」

『7月にさ。みんなで集まろうって話が出てるんだよ。そんで、連絡がつくやつらに電話してるんだけど…どう?』

「あ、日にちによるけど。早めに決めてもらえれば、行けるよぉ」

『そうか。良かった。あとさ、透理で誰かに連絡できるヤツいる?』

マコトの声を聞いて、俺の視線は鈴菜に向いた

「北見になら」

『え? マジで! クラスの女子はみんな連絡できねえって言ってたぞ』

そうだろうねえ

「一緒に住んでるから」

『ええ?』

マコトが電話口で大声を出した

俺は思わず携帯を耳から外した

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