真面目なあたしは悪MANに恋をする
「大学には通えてるの?」

彩加さんが心配そうに俺の顔を覗き込んできた

「ええ、おかげさまで」

にっこりと俺は微笑み返した

「そう。今夜は空いてる?」

すすっと、俺の太ももにある彩加さんの手が上に動く

もうすぐで股間というところで、俺は彩加さんの手を握り締めた

久々に…てこと?

そういえば、飲み会に着ていく鈴菜の服を買ってあげようって思っていたところだし、小遣い稼ぎは必要と言えば、必要なんだよね

「空いてますよ」

「なら…ここで待ってるから」

彩加さんが、俺のスーツのポケットに家のカードキーをすっと入れた

マンション、変えてないんだ

俺は彩加さんの手にキスをすると、彼女の手を離した

どうしてだろう…すごく憂鬱に感じる

今までそんな風に思ったことないのに…喜んでお金を持っている女性の家に行っていたのに

今日はあまり気乗りがしない

できれば、寄らずに帰りたいなんて頭の片隅で考えてる自分がいた

< 359 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop