真面目なあたしは悪MANに恋をする
今日はバイクで来ていて良かったぁ

俺は彩加さんの部屋のシャワーを借りて出てくると、鞄の中に入れてある普段着に着替えた

脱ぎ捨てたスーツを、軽くたたむと鞄の中に突っ込んだ

「透理ぃ? もう帰っちゃうの? 泊っていけばいいじゃない」

ベッドの中で、まだ裸のままの彩加さんが口を開いた

「大学の授業の用意があるから、今日は帰るよ」

「電車、もう終わってるわよ」

「バイクで来てるから」

「そうなの?」

「そうだよ。最近、遅くなることが多いからね。バイクで来てるんだ」

「そんなに家に帰りたい理由ができたのかしら?」

「大学の授業が大変なんだよ。高校のときみたいに行かなくてね」

俺はにこっと笑うと、鞄を肩からかけた

「女の感って鋭いのよ? 甘くみないで頂戴」

彩加さんがベッドから出ると、白いガウンを肩をかけて俺に近づいてきた

「今まで、シャワーなんて浴びて帰ったことないのに…おかしいわよね?」

背後から俺の肩に抱きつくと、伸びた爪で俺の頬をなぞった

「着替えをわざわざ持って歩いているのも、前はしてなかったわ。最中にキスも嫌がるなんて無かった。それにキスマークをつけられるのも、さりげなく避けてたでしょ?」

俺の耳の後ろで囁くと、彩加さんは耳たぶを噛んだ

やめてよ

そうやって…俺のことをすべて知ってるみたいな態度になるの

嫌いなんだよね

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