真面目なあたしは悪MANに恋をする
「鈴菜、帰ろうか」
「え?」
「家に帰りたい」
「あ、うん」
鈴菜は近くにあった鞄を肩にかける
俺は立ち上がると、しわのよっている服を整えた
「俺ら、帰るわ!」
俺は少し大きめな声を出して、出口に向かって歩き出した
「え? もう?」
クラスの奴らが目を丸くする
「ああ、帰る。またな」
俺は鈴菜と手をつなぐと、飲み屋を出ていった
引きとめられる隙も作らずに、店外に出ると扉をしめた
「不思議だよな」
駅に向かって歩き出した俺が口を開いた
鈴菜はわけがわからない顔をして、首を横に倒した
「俺さ。一生、誰も好きならないと思ってた。父親が家の全財産を持って、女と逃げてから…俺、絶対に金に困るような生活なんてしたくないって思ってた。だから金さえあればいいって感じてた」
俺は苦笑した
「俺の考え、間違ってたかも」
ぎゅっと鈴菜が手を握りしめてくれる
「私、バイトしようかな」
「え?」
「だって、透理君ばっかりに負担かけさせたくないよ」
「夜のバイトは禁止ね」
「え?」
鈴菜が目を大きく開けた
「だって、そうでしょ?」
「でも靴屋の仕事のあとだから…」
鈴菜の声が小さくなる
「え?」
「家に帰りたい」
「あ、うん」
鈴菜は近くにあった鞄を肩にかける
俺は立ち上がると、しわのよっている服を整えた
「俺ら、帰るわ!」
俺は少し大きめな声を出して、出口に向かって歩き出した
「え? もう?」
クラスの奴らが目を丸くする
「ああ、帰る。またな」
俺は鈴菜と手をつなぐと、飲み屋を出ていった
引きとめられる隙も作らずに、店外に出ると扉をしめた
「不思議だよな」
駅に向かって歩き出した俺が口を開いた
鈴菜はわけがわからない顔をして、首を横に倒した
「俺さ。一生、誰も好きならないと思ってた。父親が家の全財産を持って、女と逃げてから…俺、絶対に金に困るような生活なんてしたくないって思ってた。だから金さえあればいいって感じてた」
俺は苦笑した
「俺の考え、間違ってたかも」
ぎゅっと鈴菜が手を握りしめてくれる
「私、バイトしようかな」
「え?」
「だって、透理君ばっかりに負担かけさせたくないよ」
「夜のバイトは禁止ね」
「え?」
鈴菜が目を大きく開けた
「だって、そうでしょ?」
「でも靴屋の仕事のあとだから…」
鈴菜の声が小さくなる