真面目なあたしは悪MANに恋をする
「悪いなんて言ってないっす」
ケンが棚から離れると、ベッドに腰をかけた
ぎしっと沈むと、ケンがにっこりと笑いかけてきた
「昨日はごめんね」
ケンが申し訳なさそうに頭をさげた
「エッチのこと? 謝らないでよ。他に好きな人がいるけどいいかってちゃんと説明してたじゃん。良いことなんじゃないの? 好きな人以外とエッチできないんじゃ、彼女は嬉しい限りよ。浮気の心配ナシ! まあ、でも…好きな人がいるのに女の一人暮らしに乗り込んじゃうのは間違ってると思うけど」
私はケンの鼻先をひとさし指で、つんと押した
ケンが苦笑する
「好きな人はいるけど、もう死んでるんだ。あいつ以外と寝てもいいって思ったのは、リンが初めてだよ」
「まったまたぁ。私ね、まだ男との経験がないの。そういう雰囲気になることは何十回とあるのよ…いや、言いすぎね。何回か…そう、2、3回くらいあるの。でもどの男も結局は駄目だった。女のくせに筋肉ありすぎ、とか。思ったより胸が小さかった、とか。裸の身体に幻滅して、やる気が失せるみたい。だから、立たないくらいで私は落ちこまないの」
なんか自分で言ってて、悲しくなってきた
なんでケンに自分の知られたくない過去をぺらぺらと話しているのだろうか?
しかもベッドの中で!
「…少しは…落ち込むかな? やっぱ、一応女だし」
私は苦笑いを浮かべた
「リンは良い身体してるよ」
「それ、私にとって褒め言葉にならないの!」
「違うって。女として、良い身体って意味だよ。俺、たぶん、リンを好きになる」
「はいはい。『たぶん』ね」
私は手を振って、適当に返事をする
振っている手首を、ケンが握ると真剣な眼で私を見つめてきた
「真面目に聞けって。俺、まだ乗り越えてない。あいつの死を忘れられない。なのに、リンが気になる。一度は、あいつに似ている女と一緒に暮らしたけど、駄目だった。でもリンなら…って気がしてる」
「それは、昨日一晩同じベッドで過ごしたから。錯覚よ。『たぶん』好きになりそうな気がしているだけ。もう朝なんでしょ? 電車動いてるんだから、帰りなさい」
「…わかったよ」
ケンが棚から離れると、ベッドに腰をかけた
ぎしっと沈むと、ケンがにっこりと笑いかけてきた
「昨日はごめんね」
ケンが申し訳なさそうに頭をさげた
「エッチのこと? 謝らないでよ。他に好きな人がいるけどいいかってちゃんと説明してたじゃん。良いことなんじゃないの? 好きな人以外とエッチできないんじゃ、彼女は嬉しい限りよ。浮気の心配ナシ! まあ、でも…好きな人がいるのに女の一人暮らしに乗り込んじゃうのは間違ってると思うけど」
私はケンの鼻先をひとさし指で、つんと押した
ケンが苦笑する
「好きな人はいるけど、もう死んでるんだ。あいつ以外と寝てもいいって思ったのは、リンが初めてだよ」
「まったまたぁ。私ね、まだ男との経験がないの。そういう雰囲気になることは何十回とあるのよ…いや、言いすぎね。何回か…そう、2、3回くらいあるの。でもどの男も結局は駄目だった。女のくせに筋肉ありすぎ、とか。思ったより胸が小さかった、とか。裸の身体に幻滅して、やる気が失せるみたい。だから、立たないくらいで私は落ちこまないの」
なんか自分で言ってて、悲しくなってきた
なんでケンに自分の知られたくない過去をぺらぺらと話しているのだろうか?
しかもベッドの中で!
「…少しは…落ち込むかな? やっぱ、一応女だし」
私は苦笑いを浮かべた
「リンは良い身体してるよ」
「それ、私にとって褒め言葉にならないの!」
「違うって。女として、良い身体って意味だよ。俺、たぶん、リンを好きになる」
「はいはい。『たぶん』ね」
私は手を振って、適当に返事をする
振っている手首を、ケンが握ると真剣な眼で私を見つめてきた
「真面目に聞けって。俺、まだ乗り越えてない。あいつの死を忘れられない。なのに、リンが気になる。一度は、あいつに似ている女と一緒に暮らしたけど、駄目だった。でもリンなら…って気がしてる」
「それは、昨日一晩同じベッドで過ごしたから。錯覚よ。『たぶん』好きになりそうな気がしているだけ。もう朝なんでしょ? 電車動いてるんだから、帰りなさい」
「…わかったよ」