真面目なあたしは悪MANに恋をする
なんで? どうして? 

ベッドの中で、私は首を傾げた

ケンが素っ裸で、枕に頭を乗せてぐっすりと眠っていた

私とできた人って今まで一人もいなかったのよ

私を好きだって言ってた男は、結局何だかんだと理由をつけて、途中でエッチをやめてた

私の身体に幻滅して、セックスを拒んだ

そしてそのまま自然消滅っていうのが今までの流れだった

下半身に感じるダルさが、最後までいったと私にしっかりと教えてくれている

初めての経験なのに、あまり幸せに思えないのはどうしてだろう

ケンの気持ちが信じられない

まだケンは私を「好き」というわけじゃない

ただ、「好き」になるかもしれないという段階であって、私を好きになってからの行為じゃないから、最後までイケたのだと思う

私の身体に女としての期待をしていないから、私を抱けたのだと思われる

「リン、平気?」

布団の中で、ケンに抱きしめられると優しい声が頭上からした

「え?」

「だって痛がってたから」

「あ…平気よ。痛みには慣れてるし」

「この痛みは、一生に一度しか味わえないから…忘れないで」

「何、それ。処女がいけないってわけ?」

「違うよ。処女が嬉しいってだけ」

「何よ、それ」

私がケンに背を向けようとすると、ケンの腕に力が入って回転しようとする身体を止められた

「俺、やっぱリンを好きになるよ。絶対に」

ほら、まだ完全に好きじゃないんじゃん

だから最後までできたんだよ

期待してないから、私を抱ける

好きになったら……もう抱けない

ねえ、そう思わない?

結局、男って可憐で華奢でかわいい女の子がいいでしょ?
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