真面目なあたしは悪MANに恋をする
許さないっすよ

俺、こういうことして目立とうとするヤツやって大嫌いなんだ

「おっ、ヒーローのお出ましだぜ」

青族の一人が、声高らかに叫んだのが耳に入った

俺はヒーローなんかじゃない

だけど、青族の奴らは許せない

弱いものをいたぶって、喜んでいるようなヤツらに赤族は負けないんだよ

女や子供の恐怖心を煽って喜ぶヤツらを、許すわけにはいかない

「はあい、お客様の避難は無事に終わったよぉ」

俺の横にバイクをつけた透理さんが、にっこりと笑った

「サンキュ」

「当たり前のことだよね。俺、青嫌いだし」

「馬鹿な奴を見ると哀れな気持ちになるよね。本当彼らがかわいそうに見えるよ。善悪がわからないその脳内のレベルの低さに」

マサも赤いつなぎをきて、登場した

「バイトを休んできたんだ。それなりの成果を出さないとね」

チョーもバイクを止めると、にこっと微笑んだ

「バイト、平気なんすか?」

「一時間だけ」

チョーが苦笑した

「なら、さっさと片付けましょうか」

「ケンが指示を出すんだよ。僕は、それに従うよ。正義のヒーロー!」

チョーが俺の背中をばしんと叩いた

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