真面目なあたしは悪MANに恋をする
ケンが私を抱きしめたまま、靴をもそもそと脱ぐと、玄関でツナギのベルトまで外し始めた

「ちょ…え? 何してるの?」

「リン、ごめん。マジ、やばい。我慢できないよ」

「は? 何が?」

「ここで、していいでしょ」

ケンは、私のルームウエアをそそくさと脱がしていく

「ええ? 玄関で? 待ってよ…寝室に」

「いや、待てないんだってば」

「困るよ。玄関なんて絶対にイヤよ」

私の抵抗も空しく、玄関で私は押し倒された

シャワーを浴びたかったのに…

ケンだけ、石鹸の香りをさせてるなんてズルイよ

私だけ汗臭いなんて、イヤじゃない

「ケン、ちょっと待ってよ」

「待てない」

「汗臭いでしょ?」

「わかんないよ」

「バイトが終わってから、病院に行っただけで…シャワーを浴びてないの」

「いいってば。別に、どうせまた汗かくんだから」

「でも…」

「いいから!」

私の身体はケンの身体の中にすっぽりと包まれた
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