真面目なあたしは悪MANに恋をする
「ここって……」
遊園地の駐車場にケンの車が止まると、私は口を開いた
「そう、俺らが初めて出会った場所…ていうか、俺が初めてバイトした場所かな」
「どうしたの?」
「うーん、なんとなく」
ケンはにこっと笑うと、車のキーを抜いて、後部座席にある荷物に手を伸ばして、動きを止めた
「ケン?」
「やっぱここで話す」
運転席に背中をつけてから、ケンが大きく深呼吸をした
「俺ら、もう一年付き合ったじゃん。たぶん、これからも俺らの付き合いって続くと思うんだ。リンが俺を嫌いにならない限り、交際は続いていくと思う」
「ケンが私を嫌いになったら、交際は終わるけど?」
「いや…それはない! 俺、リンが好きだから」
断言したよ、この人は…
「妹の真理のこと。一緒に住んでるんだから、話す機会はいくらでもあったのに、ずっとうやむやなままで来ちゃったから。きちんと話すべきだと思って」
「無理しなくていいって言ったのは私だよ」
「うん。でももう無理じゃない。リンを好きになって、リンと付き合って、毎日を重ねていくうちに、俺の時間が動いているって気がした。真理への気持ちや罪悪感が消えたわけじゃないけど、『過去』になった。真理にとったら、むかつく話しなのかもしれないけどね」
ケンが肩をすくめて苦笑した
「俺さ。リンと出会ったばっかの頃、結構凹んでただよね。親しくしてるヤツらが、どんどんと好きな女を見つけて、心の傷を癒してるんだ。透理ってヤツなんか、恋愛と無縁のような顔してて、あっさり結婚してるし。そんな中で、俺一人、過去に縛られてて前に進めなくて。ああ、俺ってこのまま一生、一人で生きて死んで行くんだなって思ってたんだ」
ケンが自嘲の笑みを浮かべた
「恋愛ごっこなら、たくさんしてきたけど、どの女ともウマくいかなくて。俺の気持ちが追いついていかなんだ。心のどこかで真理が引っかかってた。結局さ、俺、誰とも恋愛なんてしてなかったんだと思う」
ケンが私の顔を見ると、ニッと白い歯を見せて笑った
遊園地の駐車場にケンの車が止まると、私は口を開いた
「そう、俺らが初めて出会った場所…ていうか、俺が初めてバイトした場所かな」
「どうしたの?」
「うーん、なんとなく」
ケンはにこっと笑うと、車のキーを抜いて、後部座席にある荷物に手を伸ばして、動きを止めた
「ケン?」
「やっぱここで話す」
運転席に背中をつけてから、ケンが大きく深呼吸をした
「俺ら、もう一年付き合ったじゃん。たぶん、これからも俺らの付き合いって続くと思うんだ。リンが俺を嫌いにならない限り、交際は続いていくと思う」
「ケンが私を嫌いになったら、交際は終わるけど?」
「いや…それはない! 俺、リンが好きだから」
断言したよ、この人は…
「妹の真理のこと。一緒に住んでるんだから、話す機会はいくらでもあったのに、ずっとうやむやなままで来ちゃったから。きちんと話すべきだと思って」
「無理しなくていいって言ったのは私だよ」
「うん。でももう無理じゃない。リンを好きになって、リンと付き合って、毎日を重ねていくうちに、俺の時間が動いているって気がした。真理への気持ちや罪悪感が消えたわけじゃないけど、『過去』になった。真理にとったら、むかつく話しなのかもしれないけどね」
ケンが肩をすくめて苦笑した
「俺さ。リンと出会ったばっかの頃、結構凹んでただよね。親しくしてるヤツらが、どんどんと好きな女を見つけて、心の傷を癒してるんだ。透理ってヤツなんか、恋愛と無縁のような顔してて、あっさり結婚してるし。そんな中で、俺一人、過去に縛られてて前に進めなくて。ああ、俺ってこのまま一生、一人で生きて死んで行くんだなって思ってたんだ」
ケンが自嘲の笑みを浮かべた
「恋愛ごっこなら、たくさんしてきたけど、どの女ともウマくいかなくて。俺の気持ちが追いついていかなんだ。心のどこかで真理が引っかかってた。結局さ、俺、誰とも恋愛なんてしてなかったんだと思う」
ケンが私の顔を見ると、ニッと白い歯を見せて笑った