真面目なあたしは悪MANに恋をする
-葉南side-

『駅まで迎えに行くから。駅に着く前に、メール頂戴ね』

あたしは片岡君からきたメールを見ると、携帯を鞄の中に突っ込んだ

今夜は職場の飲み会って、片岡君には言っちゃったけれど…本当はコンパなんだよね

女性陣は職場の仲間なんだけど、後輩が一人、インフルエンザになって仕事を休んでいるから代わりに私が行くことになっちゃった

片岡君に「コンパ」だって言ったら、きっと気分悪くしちゃうだろうから、言えなかった

断りたかったけれど、先輩に言われたから断りにくくて…これからの仕事関係とか考えると、「彼氏、いるんで」とは言えない

職場の人は、あたしに彼氏がいるとは思ってないみたい

「いるの?」って聞かれたこともないし、「彼氏、欲しいよネエ」って声をかけられるけど…質問されないところを見ると、あたしに彼氏がいると思われてない

あたしの外見って、彼氏がいるように見えないのかな?

ちょっとさびしいかも

「今夜は多いねえ。みんな、恋人が欲しいんだね」

職場の先輩であるヨウコ先生が、飲み屋にいる男性たちに目を配りながら嬉しそうに口を開いた

「今夜はこの飲み屋だけで何組のカップルができるのかしら?」

「さ…さあ?」

あたしは首を傾げると、苦笑した

どれくらいだろう

クリスマス前だからって、頑張ろうって気持ちになるのはわかるけれど、必死になって作ったカップルって長続きするものなのかな?

ホワイトデーを過ぎるころには、みんな別れてそうだよね

あたしも、片岡君と付き合う前までは、毎年のようにクリスマス前になると焦ってた

一人でクリスマスを過ごしたくないって思ってた

でもなんだかんだと必死になって焦っても、クリスマスは家族と過ごしてた

急には見つからないし、彼女を作ろうと必死になっている男の目って野獣みたいで魅力がない

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