真面目なあたしは悪MANに恋をする
「…てかさ。俺が後部座席のほうが良くね? 加藤と鈴木さんはもう付き合ってるんだし…俺が加藤の隣にいる理由はねえだろ」

「いいのか?」

加藤さんが嬉しそうな顔をした

嫌…なんですけど

あたしは、すんごい嫌です

加藤さんと付き合う気なんてないのに

どうして、あたしを抜きして、三人で話が進んでいるの?

あたしの問題なのに、どうしてあたしの心を聞いてくれないの?

「んじゃ、席の移動」

寺島君は、さっさと助手席を降りて行った

あたしは、茉莉に服を引っ張られて車から降りる

後部座席の奥に寺島君が乗り、そして茉莉が続いて入っていく

あたしは渋々、助手席のドアを開けると乗り込んだ

気が重い

早く家に帰りたいよ

「とりあえず、この車でドライブするか?」

寺島君が後ろから声をかけてくる


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