真面目なあたしは悪MANに恋をする
15分も車を走らせると、真っ暗な公園に到着した

最低

自分で墓穴を掘るなんて

夜の公園なんて…寒い上に、抱き合うこと間違いなし! の場所じゃない

他のカップルがきっと、いちゃいちゃしてるよ?

クリスマスだし、公園にいるカップルは余計だよね

人気のない路肩に車を止めると、加藤さんはエンジンを止めた

「んじゃ、夜の公園の散歩と行きますか?」

加藤さんがにっこりとほほ笑んだ

行きたくない…なんて今さら、言えない

けど、言えるものなら言いたいよ

寺島君は茉莉の手を掴んで、キスをしている

もうやる気満々っていう感じで、茉莉に話しかける隙もなかった

車の窓から、公園を見つめる

林の向こうに、子供たちが遊ぶ遊具とかあるんだろうなあ…なんて考えてみる

行きたくない

その思いがあたしの身体を重くさせた

手がまるで痺れているみたいに、動かなかった
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