真面目なあたしは悪MANに恋をする
あたしは携帯を開いて、画像を開いた

片岡君の寝ている姿を見て、脳内では送ってきてくれた片岡君の表情を思い出していた

片岡君のとても真面目で悪い人じゃないと思う

でもどうして、あんな格好をしていたのかな?

あたしは濡れた髪のままベッドにぱたんと倒れた

なんか…考えられないよ

バイト姿の片岡君と、真っ赤なツナギを着ている片岡君の姿が一本の線でつながらないの

全くの別人に見えて、わけがわからなくなる

でも、助けてくれたのは…片岡君?

あたしが寺島君とドライブするのを嫌がっていたから?

『じゃあ、一つだけ教えてください。寺島君のお友達と付き合う気はあるんですか?』
『ないです!』
『わかりました』

バイトのときの会話を思い出した

あのとき、すでに片岡君の頭の中では、今夜の計画がたてられていたのかな?

面と向かって言っても、寺島君には何の効果もないってわかってて…赤族の姿で、追いかければ、ドライブが中止になるって考えたの?

たぶん、あたしが片岡君に質問してもはぐらかされちゃうんだろうなあ

ハンドクリームを買ってきてくれたときみたいに『にこっ』って笑って、あたしに背を向けて歩き出しちゃうんだ

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