真面目なあたしは悪MANに恋をする
「どうしようかなあ」

「ここで悩むなよ! なんのための徹夜だよ。一晩じゅう考えてたんじゃないの?」

「うん、考えてる間に寝ちゃったんだよね…実は」

透理さんは、マサ君のほうを見て苦笑をする

「はあ…なんだかなあ」

マサ君が額に手を当てると、呆れた顔になる

「幹部二人もいて、何の役にも立たねえし」

「だって俺は幹部って言っても、会計係だから」

「いいよ、もう」

「俺は言葉で話すのは苦手で、メールとか手紙のほうが…」

「わかったてば! 俺が話すよ」

マサ君が『はあ』っとため息をつくと、あたしの手元を見つめた

「透理さんは、ハナさんの飲み物をドリンクバーから持ってきてよ」

「あ、それならできる! 適任だね」

「誰でもできるっつうの!」

『あはは』と透理さんは笑いながら、席を立つとドリンクバーに歩いて行った

「すんません、ホントに。しょーもないヤツらばっかで」

マサ君がぺこぺこと頭を下げた

「あ、いえ」

あたしは手を出すと、横に振った

「ケンケンも透理さんも、ツナギを着てバイクに乗ると、人が変わったみたいにめっちゃ格好良いんすけどねえ。なんかバイクから降りちゃうと、なんか調子が狂うんですよ」

マサ君が、申し訳なさそうな顔をする
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