360゜
「なに、その馬鹿げた台詞」
「・・だからっ。あなたのその美しい瞳にあたしの姿を映してっ!」
自分でもほんとに「馬鹿げた台詞」だと思った。だけど、それは本意。
(お願い。笑って?その瞳は、あたしに微笑むためにあるものでしょ?)
そんな独占欲を丸出しにしたけど、結局最後は彼にひかれてしまい
フラれた。もういい。
あたしの恋は、終わった。
もう諦めよう。ねばってもムダ。

そう思いながら、涙ぐんだ目を乱暴に擦りながら夕焼けに染まる帰り道をとぼとぼ歩いた。
その時。
「キミ、泣いているの?」
ある男の人が優しく手をさしのべた。


――運命の恋は、もうすでにはじまっていた・・・・。



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