Dear俺様教師【完】
私も、アパートに帰ろうと歩き出した時、木に人影が見えた。
「・・・・・・・先生」
そこには、腕を組んで木にもたれかかった先生が立っていた。
だけどその顔は、決して穏やかではなかった。
「せ、先生・・・」
「何で宍戸と話した??」
「それは・・今日、章吾が真希と別れたって噂で聞いて・・・それで章吾が傷付いてるんだと思って・・話を聞いてあげるだけならと思って・・・」
「また都合のいい女になるつもりか??」
「違う!!先生なら分かってくれるでしょ?!人は傷付いたら、誰かに助けて欲しいの!!誰かを頼りたいの!!私が・・・先生の事必要としているように、私も章吾のそんな存在になれたらなって思っただけなの!!!!」
「で??宍戸は傷付いてたのか??」
「そ、それは・・・・でも!!どんな形であろうと、章吾は私を必要としてくれてるの・・・好きって・・・言ってくれたの」
「そんなのは嘘だ」
「う・・・そ??」
「ああ。お前はまた裏切られ、傷付けられたいのか??」
どうして先生がそんな事を言うのか分からなかった。