Dear俺様教師【完】
「先・・・・・・生・・・・」
実来を抱き締める力が強くなるのが、自分で分かる。
「実来・・・泣きたきゃ泣け。我慢するな・・・その間、俺が抱き締めててやるから」
「先生・・・・・」
そして実来は、今まで我慢していた涙を声を出しながら流した。
これから先は絶対こんな想いはさせない。
俺が、絶対に・・・。
「先生・・??そろそろ離してくれませんか??」
約3時間くらい実来を抱き締めていたら、実来が泣き止んでそう言ってきた。
だけど・・・。
「ダメだ」
「え・・でも・・トイレ行けないです・・」
「ここでしろ」
「はぁ?!」
「冗談だ」
そして俺は実来の身体を離した。
「ちょっとトイレ借りますね!!」
「もう・・・大丈夫なのか??」
「・・・・・はい!!先生が、また一緒に居てくれるって言うから・・また、味方で居てくれるって言うから・・もう大丈夫です!!・・私、先生の事あんな風に言ったのに・・」
「味方??・・・・実来違うんじゃないのか??」
「え??」
「俺は、お前の・・・彼氏だ」
「あ・・・・はい!!また、(仮)彼女で宜しくお願いします!!」
そう言って実来はトイレに駆け込んだ。
「彼女」なんて言って・・。
形だけの関係なのにな。
あんなに喜んでくれるのか、実来は。
実来を形だけの彼女ではなく、本当に愛しい奴として傍に置きたい俺にとっちゃ・・あいつが笑顔で言った「(仮)彼女」は、少し残酷だ。
まぁ、もう少しだけ・・俺が実来の(仮)彼氏で居られるんだ。
だけど、"あの人達"との事が解決したら、実来に・・俺の気持ちでも伝えるつもりだけどな。