Dear俺様教師【完】
-蓮 side-
俺は自分の授業が終わって、職員室でテスト作成をしていた。
あと3時間か・・。
「ハァ・・・実来のやつ、ちゃんと飯食ってっかな」
ブーブー ブーブー
ポケットの中で、携帯が震えた。
着信の相手を見て、珍しいと思った。
俺は職員室を出て、人気の居ない場所まで急いだ。
「高橋か??どうした珍しいな・・」
電話の相手は高橋だ。
俺が学校に居る時は、めったに電話は掛けてこない。
むしろ、初めてかもしれない。
『実は今、蓮様のマンションに来ておりまして・・』
「俺の??何か用だったのか??なら実来が中に・・」
『いえ・・実は・・』
高橋の様子がおかしかった。
だけどそれは、高橋の次の言葉でわかった。
『桜子様が・・・・蓮様にお会いしたいと・・・』
「桜子が?!」
『申し訳ございません!!止めはしたのですが・・・言うことを聞いてくれませんで・・』
「まさか・・実来と・・・」
『はい・・お会いしてしまいました』
高橋から聞いた衝撃は、俺の中で駆け巡った。
高橋でも家の中に入れるな。と、言えばよかったと後悔だけが残った。
電話を切った俺は、帰るまでの時間・・気が気でなかった。