Dear俺様教師【完】
-爽 side-
俺は実来に全てを話した。
彼女がいる事や、その彼女の前で嘘をついて偽りの自分を演じている事。
「だから、もう嘘つくの嫌なんだ」
「爽君・・・」
「だけど、本当の事を話せばきっと・・嫌われる」
「爽君・・ごめんね・・」
急に実来が謝ってきた。
「何で謝んだよ??」
「爽君、すごい悩んでるのに私・・・「裏切られた気持ち」とか言って」
「実来・・・」
「私がああやって言って余計に悩んだよね??本当にごめん・・・」
実来は優しい。
蓮兄さんが惚れるのもわかる。
だけど実来と蓮兄さんは、本当の恋人ではない。
俺は、蓮兄さんからそれを聞いていたから知っている。
実来に余計な心配かけちゃマズイよな・・・
「実来が謝る事じゃねーって!!悩んでてもしゃーないからさ、また後から考えるさ」
「爽君・・本当にそれでいいの??」
「ああ、それで・・・」
俺は何かの気配を感じた。
後ろのドアに視線を移した。
「爽君??」
実来も、俺の視線と同じ方向に目をやった。
そして二人で声を揃えて言った
「蓮兄さん・・・」
「先・・・生」
ドアには、悪魔の笑みを浮かべて立っている蓮兄さんがいた。