放課後の歌


「日向~!」

「こっちきてぇ~!!」

そういう女子。

「あぁ、すまんな!今前原の手伝いでいそがしいんだ!!」

「もぉ~また前原さん??」

「日向やさしすぎ!!!」

ねぇ?知ってる??
君が振り返って、女子達に背中を見せているときの顔。
私をすっごく睨んでるんだよ?
『また前原さんばっかり、』
『ずるい』
ずるくないよ、ばっかりじゃないよ。
だって彼は、私が大変そうだから手伝ってくれてるだけなんだもん。
みんなにだって、同じだよ。

私だからって、ワケじゃない。

「前原、ここでいいか??」

「え、あ、うん。ありがとう。」

私は他の女子達みたいに、それ以外なにもない。
なにもとりえのないんだよ。

だってさ、

「あぁ、さっきはごめんな、で?なに??」

「きゃぁ~日向ぁ~」

「あのさ~この映画・・・」

私は見ることしか、


できないんだもん。



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