放課後の歌


いつも見てるだけの私。

どういう勇気を出せばいいか、分からない。

少しだけでも、変わりたい・・・

ある日ね?見たんだ。
君が図書室の端の誰も来ない机で・・・

必死に本を読んでたね?


その作家、私も好きなんだ。

その作家は、歌手を目指す人を主人公とした小説ばっかりだよね。
それに、私たちと同じ“高校生”が主人公なんだよね・・・
その話では主人公は男の子か・・・


君はポロッと涙をこぼし、ズズ、と鼻をすする。
そこは感動したな・・・

歌手を目指す主人公を支えてきてくれた、大事な幼馴染が、事故に巻き込まれそうになった主人公を助けて、植物状態になってしまったんだよね。・・・


君はパァアアと明るく笑みをこぼした。


ソコはきっと、あの幼馴染が声を発したんだよね「好きだよ」って、

君は読み終わって、本を閉じ、その本を本棚に直した。
その作家の本を探してるみたい。

でもね?学校の図書室にはその作家の本はそれだけなんだ。だから・・・



「本、好きなの??」



声をかけてみた。



「その作家、私凄く好きで。本、貸してあげようか?」



そういって本を差し出した。



「・・・あ、ありがとな!!今の話すっげーよくて!一気にファンになった!!」



君は笑顔でそういった。



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