放課後の歌



アノ人に話しかけた勇気と、


アノ人と話せた嬉しさと、


アノ人が前原と呼んでくれたこと、


アノ人にすきなひとがいると聞いた、


アノ人への想いがこみ上げ、


辛く、苦しくなったこと・・・・・・



全てを一つの歌の歌詞に乗せて、


涙を流しながら、

出ない声を無理に出し、


歌う・・・



「~あぁ~・・・


これからも、大好きなんだぁ~・・・


りく、じょ・・・く・・・」


さすがに、足が動かなくなり、立てなくなった。

そのまま崩れ落ちるように、泣き崩れた。
ガシャンとフェンスがゆれる。


「いつも見てます、輝く~君・・・をぉ~・・・」


それでも、歌って、

言葉にして、

すっきり、したかったんだ。



バンッ、イキナリあいたドアにビクッと体をおびえつかせ、

振り返る。


その時にはもう、遅くて・・・


ぎゅっ、


ほんのぬくもりに・・・つつまれていたんだ・・・



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