†君、男~Memory.. limit of grief~



「燐!」


「え――…?」


階段を下りる途中、
何故かレインは私をどかせ、
場所が入れ替わる。


その時だった…レインは一瞬にして
階段から落ちていく。


「レイン!!」


「ッ…」


どうして?と思ったやさき、
上から笑い声が聞こえてくる。
レインを落とした犯人だった。


「馬鹿じゃない?
 友達庇って自分が落ちるなんて」


「庇った?」


「気づかないの?
 ホントはあんたを落とすつもりだったのに」


「     」



以前、私は告白されていた。
でも付き合う気がなかった私は
すぐに断った。
それを知った私を落とそうとした人は
その人が好きだったらしい。


私の事が邪魔だと言ってきた…。


それからと言うもの
私に対する好意は度々あったけど、
全てレインが庇ってくれた。


ホントは私が受けなければいけないのに、
レインが変わりに受ける意味が分からなくて
いつも泣いてた……。


それでもレインは優しく微笑んでくれた。
とても心が痛くて、悔しかったんだ―――…



そして私に対する行為は
悪化して、レインにも怪我をさせると言う
目的に変わっていた。





< 103 / 482 >

この作品をシェア

pagetop