†君、男~Memory.. limit of grief~
「燐!」
「え――…?」
階段を下りる途中、
何故かレインは私をどかせ、
場所が入れ替わる。
その時だった…レインは一瞬にして
階段から落ちていく。
「レイン!!」
「ッ…」
どうして?と思ったやさき、
上から笑い声が聞こえてくる。
レインを落とした犯人だった。
「馬鹿じゃない?
友達庇って自分が落ちるなんて」
「庇った?」
「気づかないの?
ホントはあんたを落とすつもりだったのに」
「 」
以前、私は告白されていた。
でも付き合う気がなかった私は
すぐに断った。
それを知った私を落とそうとした人は
その人が好きだったらしい。
私の事が邪魔だと言ってきた…。
それからと言うもの
私に対する好意は度々あったけど、
全てレインが庇ってくれた。
ホントは私が受けなければいけないのに、
レインが変わりに受ける意味が分からなくて
いつも泣いてた……。
それでもレインは優しく微笑んでくれた。
とても心が痛くて、悔しかったんだ―――…
そして私に対する行為は
悪化して、レインにも怪我をさせると言う
目的に変わっていた。