†君、男~Memory.. limit of grief~
「じゃーテスト返すぞ」
中間テストの時期も終わり、
クラスの半分は嫌がる
テスト返しが行われていた。
一人、また一人と
テストが返ってくるたびに
「駄目だー」「最悪」などという言葉が飛び交う。
「おい、静かにしろよ。
高校入って初めてのテスト
だからって手を抜いたやつ、
期末しっかりやっとくよーに」
教卓に出席簿を2・3回当てる。
ざわめく教室が少し静かになった。
しかし、恵は少し嬉しい様子。
どうやらテストの点数が良かったのだ。
元々頭がいい恵だったが、
さすがに1日目は水那のテストに驚いた。
けれどそんなもの、恵には簡単にクリアしていた。