†君、男~Memory.. limit of grief~
Xmas~3学期
素直な気持ちを
「佐伯先生…レインが…ッ」
恵が走り去ってしまった後、
残された優介と燐は気まずい雰囲気になってしまった。
後から降りてきた慎達も
言葉が出ない状態だ。
「どうしてレイン…あんなこと…!」
しゃがみ込んで泣いてしまう燐。
「俺が悪いんだ」と真は燐達に謝った。
「生徒会室で何があったんだ?」
険しい表情の優介。
こんな姿を見るのは誰もが初めてだった。
真は一瞬固まるが、話をし始める。
「俺達が何年も片思いするのは
弱い自分を隠しているだけだって言うのを
言ったと同時にガラスが割れて…」
『先輩方。もし…
今度同じような発言をした時は
ただじゃおかないと言う事を
ご理解下さい』
「そうか…」
「…!」
燐は何かを思い出したように
立ち上がり、優介の方をじっと見つめた。
「さっ佐伯先生…。
一つ伺ってもいいですか?」
「何だ?」
ずっと気になってた。
文化祭が始まる前から…。
あの時は何もなく終わったけど、
今回の事でハッキリした。
レインは、佐伯先生の事を
“優兄”と呼んでいる。