†君、男~Memory.. limit of grief~





「燐、昨日は悪かった。
 もう大丈夫だ…」


「…レイン」


昨日の事件から1日が経ち、
恵は昼休み中庭に燐を呼び
昨日の事を謝っていた。


「私…今までレインの役に
 たってなかったのかな?」


「…」


「私はずっとレインの為に頑張って、
 レインの役に立ちたかった。
 でも…無意味だったんだってこと
 昨日で分かった。
 ごめんね…私レインの事
 一番に分かってるつもりだった…のに」


『何も知らないやつが、
 知ったような口を叩くな』


「あれは、正直言って…本音だ」


「!」


「誰も私の事なんて知らなくていい…
 そう昔から思ってた。
 私を知れば、弱い私を知れば…
 何もかもが終わるんだ」



『結局お前は一人なんだよ』


『弱いのバレたくないだけだろ』


「これから先も私を知る人間はいなくていい。
 何もかも捨てなければ、
 私は生きていけないんだよ。
 罪に塗れた以上…」


「何か…隠してるよね?
 これだけはハッキリ言えることがあるの。
 私はレインの役に立ちたいと思ってた。
 だからレインが悲しめば私は
 それを解決する為に何かしてあげたいと
 ずっと思ってきたの。
 レインが今、悩んでるにしか私は見えないよ」


「…」



何でこんなにも燐は
私を見つけ出すんだろ…


まるで私が優兄を探していた時のような――





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