†君、男~Memory.. limit of grief~
三送会
「あっ…レイン」
「…」
三送会1週間前。
土日を使って練習の大詰めに入り
この日は誰も使わない体育館を借り、
音合わせを行っていた。
以前の事件以来喋らなかった
恵と慎達。
真は深く謝った。
「本当にゴメン!
俺のせいで何か…蒼井が
気を悪くして」
「私の方のすいません…
突然あんなこと言って」
「いやっ蒼井は悪くないから。
本間ごめん」
何度も謝る真と慎。
しかしその理由はもう一つあり、
後から燐に恵は怒ると
相当怖いということを聞かされ
なるべくそれを避けようとしていたのだ。
「後1週間しかないから
早く練習しよう」
「そうだな」
それぞれ持ち場に着く。
けれど恵は横で見守っていた。
なぜなら恵は本番まで
歌わないからだ
「めーぐ!!」
「!?」
後ろから飛びついてきたのは
照明担当の万里。
「早くめぐの歌聴きたいねんよー。
前聴いて一発ではまりましたからね」
妙にテンションの高い万里。
二人は2階の照明の場所に向かった。
「先生から聞いたんだけど、
私らの生徒会かなり人気あるみたい」
「へー…」
「今までも人気あったみたいだけど、
今回は相当す語らしいよー。
まず1年生で会長だしね。
後文化祭のライブとか」
「私が会長になったのは
気に食わないけど…」
不満そうに言う恵を余所に
万里はニヤリと笑った。
「めぐを最初会長に薦めたのは
佐伯先生なんだよ。
本当は都宮先輩に
なるはずだったみたいだけどね」
「 それ本当なのか?」