†君、男~Memory.. limit of grief~


「そこ、チャイム鳴ってるぞ。
 早く座れ」


いつの間にか予鈴が過ぎていて
優介が教卓の前に立っていた。
慌てて席に戻る3人。


ふと恵は優介と目が合うがすぐ逸らしてしまう。
前のように喋ることも出来なくなっていた。


出席をとっている間クラスは騒ぎ出す。
一番前の席に座る恵は毎日が息苦しかった。


「…ッ」


「どうした蒼井、
 気分でも悪いか?」


「     」



君は私に笑顔を見せる。
私は見せないのに…。


「もう、いい…無理しなくても。
 この間の言った事
 レインを見てれば嘘ってことぐらい分かる。
 辛い思いさせてごめんな」


「……どうして」



貴方は私よりずっと強い。
なのに寂しさを憎しみ感じてる。


何で貴方が―――…



「どうした?」


「いえ、何でもありません」



もっと、
素直になれたら――――



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