†君、男~Memory.. limit of grief~

「(何であの中にいるって分かったの!?)
 えっ…えっと真ん中の人」


じーっとそれを見つめ
恵の目が変わった。


「れっレイン…?」


「先に生徒会室に戻る」


「あっちょっと!」


慌てて燐はお弁当を片付け後を追った。
その様子を麻耶は見てクスッと笑っていた…。


「麻耶、何見てんの?」


「ん―…?さっきそこに
 生徒会長さんがいたから。
 さすが会長って感じだよね。
 オーラが違う。
 あっ…蒼井さんを初めに推薦した人って
 佐伯先生ですよね?」


「…あぁ」


「私の方がいいと思うのに。
 あの子に負けない自信、あるんだけどなー。
 それに佐伯先生とも仲良いし」


麻耶は優介に近づく。


「私、佐伯先生のクラスなれて嬉しいです!
 今年1年行事とか楽しみですね」


愛想よく振舞う姿は
手馴れているかのようだ。


ニヤリと笑うその微笑みは
何か裏がある姿に見えた…。






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