†君、男~Memory.. limit of grief~



「いつからそこにいたんだ?」


屋上に上がる階段。
そこに恵は座っていた。


「10分前ぐらいから」


「来なかったらどうしてたんだよ」


「多分…ずっと待ってた」


「そっか。で、行くんだろ?屋上」


扉を指差し恵はコクンと頷く。
まるで子犬のように愛らしい姿であった。




久しぶりに入る屋上。



桜が、散っていた―――…


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